ピアノの買取・処分について

お見積りの際にピアノの買取りや処分についてご相談を受けることがあります。よく耳にするのが、古くなった家を解体するので、併せてピアノを処分したいという場合です。ピアノは、ほとんどの自治体で粗大ごみとして捨てることはできません。また、家と一緒に壊してしまえばいいという訳にもいきません。産業廃棄物処分場でも受け付けてくれるところはありません。

ピアノ解体には、専用の道具とノウハウが必要なのです。間違っても、個人でハンマーでたたいて壊そうなどどしてはいけません。ピンと張られたピアノ線がはじけて体にあたれば真っ二つになります。
ピアノの処分は、まず専門業者に買取りを依頼します。そして、値が付かなかった場合には、解体・処分を依頼することになります。
そこで、今回はピアノを処分するにあたって、いかに高く買い取ってもらうかについてお話しします

⑴対象となるピアノの種類

➀アップライトピアノ

日本の家庭でよくみられる省スペースタイプのピアノです。日本の住宅事情を考慮すれば、入門用としてはこれで十分でしょう。省スペースタイプとはいえ、幅150㎝~、重量200㎏~です。
搬入・搬出の際は両端に専用のロープをかけて2人で担いで運びます。

 

➁グランドピアノ

コンサート会場などで使われる、本格的なピアノです。「フル・コンサート・ピアノ」(通称フルコン、長さ280ほど)、「セミ・コンサート・ピアノ」(通称セミコン、長さ160~190cm)セミコンサート㎝)と、大きさも数種類あります。
搬入・搬出の際は、足を取り外し本体部分を養生して4~5人で担いで運びます。

 

➂電子ピアノ

業者によっては買い取ってもらえますが、電子ピアノは楽器ではなく電化製品という扱いです。製造から5年以上経過した電子ピアノは値が付かないのが一般的です。電子ピアノの処分は、少しでもお金に換えたいのなら不用品回収業者やリサイクルショップに、捨てたいのであれば粗大ごみとして捨てるのが安上がりです。

 

⑵ピアノメーカーについて

海外メーカー
スタインウェイ・アンド・サンズ(STEINWAY&SONS)
ピアノメーカーの最高峰のメーカーです。一流コンサートで使用されています。その分お値段も超一流です。私は個人のお宅では拝見したことがありません。
廉価版として、「ボストン」、「エセックス」があります。

ベーゼンドルファー(BÖSENDORFER)
オーストリアのピアノメーカーです。渋めの音がするとのことです。これも私は見たことがありません。

国内メーカ
ヤマハカワイが2大メーカー
どちらも世界に通用するメーカーです。どちらが優れているというより、各人の好みの問題です。
一般的に、ヤマハのピアノはタッチが軽く明るい音で、カワイはタッチが重くまろやかな音といわれています。

⑶高く買い取ってもらうための条件

➀ブランドメーカーであること
先述した4つのメーカー以外は高額な買取価格は付かないと思ってください。
ピアノ買取り業者は、ピアノの外観に傷があろうとも、ところどころ鍵盤の音が出なくても引き取ってくれます。それは「パーツ取り」を行えるからです。海外ブランドのピアノは、日本の一般家庭では見かけることはありませんが、ヤマハやカワイのピアノは日本の家庭に広く普及しています。それらの修理用の部品として使えるものを利用できるからです。特にアクション部分は定期的に不具合が発生するので、中古ピアノから修理部品として再利用します。

➁定期的なメンテナンスを欠かさないこと
通常ピアノの上達を志すのであれば、通常半年に1回はメンテナンス(調律と整調)は不可欠です。
全く弾かれることなく長く放置されたピアノは、日本の夏(高温多湿)と冬の激しい変化により、筐体が歪んでしまったり、ピアノ線に錆が浮いてきます。そのような場合、査定の大きなマイナスポイントになります。

➂ペットを飼っている場合は買取価格は付かない
ペットをご家庭で勝っている場合にも特別の配慮が必要です。ペットがピアノに近づけない、ペットが入れないピアノ専用部屋がある場合は問題ないのですが、ピアノとペットが同居している場合は犬や猫の毛がピアノ内に入り込み、アクション部分やピアノ線などに絡んでしまうと故障の原因となるからです。
ピアノ買取り業者は、ピアノを解体することはあっても、内部の部品を洗浄して再度組み立てるようなことはまず行いません。
再組み立てによる調律や整調は非常に難しく、手間がかかり割に合わないからです。
従って、『ペットが居た』ということだけで「パーツ取り」が行えるかどうかの評価になってしまうのでご注意ください。

⑷ピアノの買取・処分の価格の決定

⑶の➀➁➂を考慮して業者は買取価格を提示します。しかし、そこから差し引かれる費用があります。搬出料金です。
例えば2階にあるピアノを搬出する場合、階段1段に対して¥2,000かかります(業者によって多少異なる)。さらに敷地から運搬車両までの間に段差があれば、さらにその段数に応じで¥2,000が加算されていきます。よって、せっかく買取価格が提示されても、搬出費用でマイナスになってしまうこともあります。
さらに、階段が狭いためにベランダからクレーンで吊って降ろさらなければならないような場合は、8万~10万円費用がかかると思ってください。クレーンで吊れる高さは5階までが限界です。それ以上の高さとなると大型クレーン車が必要となるのでさらに料金は高くなります。。もっともそのような場合は搬入時にクレーンで搬入しているはずなので、その際の料金を参考にしてください。
ただし、解体して搬出する方法もあるので、業者側がお得な方を提案してくれるはずです。(解体搬出となった場合は、パーツ取りとしての評価査定しか付きませんが・・・)


買取業者によれば、状態のいい中古ピアノは海外へ、良くない物はパーツ取りをメインに修理用の部品として使われるそうです。
コロナ禍でお家時間が増えたためか、海外・国内ともピアノの需要は多いそうです。

弊社では、調律師のいるピアノ買取り業者と提携していますので、お気軽にご相談ください。東京・神奈川・千葉・埼玉であればご対応可能です。

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