残置物撤去について
不動産の売却や賃貸物件からの退去の際に、不動産屋や大家さんから残置物の撤去を求められます。「残置物撤去」とは、物件内に放置された家財や、放置していく予定の家財を、撤去処分することです。不用品処分というと、要らない本棚や家電などの単品又は数品の家財の処分であるのに対して、残置物撤去は、退去後に放置された多くの家財を撤去する際に使用される用語です。
そこで、残置物撤去作業について、費用を安くするにはどうすればよいか、どんな業者に依頼すべきか、についてお伝えします。
㈠賃貸物件からの退去の際の残置物撤去
部屋に不要となった家財を放置して退去し、後日改めてその撤去費用を不動産屋や大家さんから請求されるのが一般的です。この場合、不動産業者提携先の業者に依頼するため、料金は割高になります。(業者が不動産屋に紹介手数料を払う為ですからです)
そのため、できるだけ残置物を残さず退去することが重要です。
➀できるだけ粗大ごみとして捨てる
粗大ごみとして捨てれば、だいたい家財1個あたり200円~600円程度で捨てられます。
高いものでは、応接ソファーとベットマットで1,000円程かかりますが業者に依頼するよりは安いです。但しスプリングが入ったソファーやベットマットは粗大ごみで捨てられない自治体もありますので、市区町村のホームページなどで確認してください。
また、リサイクル家電(エアコン・冷蔵庫・洗濯機・TV)とPCは粗大ごみで捨てられません。
(自分でリサイクル券を購入し、電気屋さんに引き取ってもらうのが一般的)
粗大ごみで捨てる場合は、集積場まで運ぶのが大変であったり、期日を指定されるので引越し日までに出せないなどの問題があります。管理人さんが居る賃貸物件なら捨てる期日まで預かってくれたりするので相談してみましょう。
➁引越業者に依頼するまたは、買取り業者に引き取ってもらう
先ほどのリサイクル家電やPCは製造から8年以内であれば買取業者が買い取ってくれます。古くても状態が良ければ無料で引き取ってくれる可能性があります。
また、引越し業者の中には不用品を引き取って売れるところもあります。有料ですが引越しとまとめてやってくれるので便利です。活用してみてください。
➂専門業者に依頼する
親が介護施設に入居するなどで、賃貸物件にある家財ほぼすべてを撤去・処分する場合は、我々遺品のような遺品整理業者などの専門業者に依頼することになります。選ぶ業者によって料金が大きく変わりますので、その選定方法については後述の「㈣家財全撤去の場合の業者の選び方」を参照してください。
㈡不動産の売却に伴う残置物撤去
住み替えによる不動産売却の場合の残置物撤去は、新たな居住先に家財を持っていくので残置物は数品なると思われるため、先述の「賃貸物件からの退去の際の残置物撤去」を参考にしてください。
親の死去や空き家整理に伴うすべての家財の残置物の撤去は、契約した不動産業者が、➀仲介により売却するのか、➁不動産業者が自社で購入するのか、で異なります。
➀の場合は、お客様自身で残置物を撤去してくれる業者を探すことになります。➁の場合は、時に不動産業者が残置物込みで購入してくれることもあります。その分不動産買取価格から減額されますが、早急に売却したい場合にはお客様は何もしなくてよいので楽です。しかし、残置物の所有権を不動産業者に譲渡することになるので、後々、貴重品や重要書類があったとしても返還請求はできません。お客様の状況に応じてどうするか決めるのが良いでしょう。
㈢不動産の解体に伴う残置物撤去
不動産業者が物件を購入した後、建物を解体して更地として売却する場合や、新たに分譲して売却する場合に多いです。この際は、不動産業者の下請けとなる解体業者によってかなり異なります。
解体業者によっては、すべての家財も一緒に処分してくれるところもあります。一般的には家具(木製品)は、解体廃材と一緒に処分してくれるはずなので、木製の棚やテーブルなどはそのまま放置しても大丈夫です。そのあたりについてはお客様の方で解体業者と確認してください。その上で、他の残った家財を撤去する業者を探すことになります。
㈣家財全撤去の場合の業者の選び方
全部の家財の撤去や解体業者が撤去できない残置物の処分にあたり、我々のような専門業者をお客様で探して依頼することになります。当然、何社かの相見積もりをお勧めしますが、以下の場合には注意が必要です。
➀紹介サイトを利用して業者を選ぶ
1度に3~5社を紹介してくれるので、相見積もりで業者を探す手間が省けます。しかし、紹介サイトを介しての業者は、契約金額の2割から4割を紹介サイトに手数料を払う義務があるので、割高になります。
➁見積書を出さない業者は要注意
悪いことにこの業界において確立された料金体系があるわけではありません。しかし、各社それぞれに係る経費を計算して見積もりを算定しているはずです。私どもでは、人件費(必要な作業員人数)、運搬代(車両費)、及び処分代(廃棄コスト)を算定してできるだけお客様に分かり易く見積書を提示しています。
しかしながら、中にはひどい業者もいます。例えば、相見積もりにもかかわらず、「他社の最低価格から2万円引き価格で請負います」とか、見積もり時に「今ここで決めて頂ければ○○円でやります」といった業者がいます。このような業者は、自身で費用見積もりの能力がなく、利益が出ないとわかると、後々「○○があったので追加料金になります」とか「もう1日作業が延びたので追加で○○円必要です」など余計に割高になり、トラブルの原因にもなりやすいです。見積もり時は口約束であっても、最終的には料金だけでなく必ず条件(エアコンや蛍光灯も撤去する、重要書類を探す等)や撤去物の範囲(ベランダの植物や庭の小屋等)を含んだ見積書を書面にて取得してください。
㈤不動産屋との契約の際の注意
不動産業者は、「専任媒介契約」や「専属専任契約」(不動産業者が独占的に当該物件を取引できる契約)を取り付けようとしますが、まずは3社程度の不動産業者の相見積もりをしてください。そして、買取価格や市場価格だけでなく、仲介なのか自社買いなのか、解体して更地で売却するのかなどを色々確認してください。特に仲介の場合は、3か月以上たっても買い手がつかないと不動産業者も放置してしまうことがあるので注意してください。
色々確認し納得した業者と契約を交わすようにしてください。(複数の不動産業者と契約可能な一般媒介契約にとどめておくのも一つの方法です)
*因みに、不動産業者には取引地域の制限はありません。どこの不動産屋でも全国の物件を取り扱うことができます。また、地元の不動産業者だから安心・確実ということもありません。各不動案業者は、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営するレインズや公益社団法人全日本不動産協会が運営するラビーネットなどで、全国の過去の取引事例から現在の売却物件などの詳細な情報を閲覧することができるので、物件の買い手・売り手を全国から探すことができます。
残置物撤去の専門業者である弊社は、できるだけ料金を安くするために、見積りの段階から「捨てるもの」「資源となるもの(リサイクル)」「売れるもの(リユース)」をしっかり見極め、実際作業後に資源としてリサイクル処分場へ搬出したり、まだ使えるものは、売却しています。時には、まだ使える「おもちゃ・ぬいぐるみ」「文具」「服・タオル」などは、近所の保育園や学童に寄付をしています。
現代日本では、高齢化社会がすすみ併せて一人暮らしの高齢者の割合も増えています。空き家問題と併せて今後家屋の解体とそれに伴う残置物の処分のニーズが増えてくると思います。私たち残置物撤去専門業者としては、資源ゴミを分別し(リサイクル)、再利用できるものは売却し(リユース)、できるだけ捨てるものを減らす(リデュース)努力をすることで、料金を安くするだけでなく、SDGs活動の一翼を担ってゆくことも重要であると考えています。