「へそくり」は何処にある?

遺品整理作業の際に、遺族の方からヘソクリはありそうですか?ヘソクリはどこにありますか?とよく聞かれます。
残念ながらこればかりは私たちにはわかりません。ただ、孫を連れて実家に行くと、よくおもちゃを買ってれたり、「一人になってもそれなりに生活していける蓄えはあるわよ」というようなことを生前にもらしていたりした場合は、ヘソクリはあるかもしれません。

そこで、ご自身で「遺品整理」をする際に、注意して確認すべき場所を、弊社の作業経験から参考までにお伝えしたいと思います。

ヘソクリと言っても、3~5万円程のお小遣い程度の額から、何百万以上の高額なものまであります。後者の場合は、現金ではなく通帳(多くは郵貯の定額預金など)や証券(株券や生命保険証券など)となっていることが多いので注意してください。特に認知症を発症した場合などは、当人はその存在を忘れてしまっていることが多いので、生前から「預金はあるの?」「有価証券などはもってないの?」とそれとなく確認しておきましょう。

以下、故人が女性の場合と男性の場合とで、弊社の遺品整理作業の経験からヘソクリ発見場所の多い順に記載していきます。

⑴故人が女性の場合

➀タンスの引出しの下
故人が女性の場合で圧倒的に多いのがこの「タンスの引出しの下」です。引出しの下に新聞紙や布が敷いてありその下に「現金の入った封筒」があります。たまに通帳の時もあります。
どの段の引出しにあるか、引出しの手前にあるか・奥にあるかはまちまちです。お母様の部屋(又は寝室)のタンスは必ず確認してください。

➁台所の床下収納
台所の床下収納から発見されたこともあります。床下収納内にある米櫃の中から現金入りの封筒を発見したこともあります。

➂趣味の道具箱の中
故人が茶道をたしなまれており、その道具箱から現金入りの封筒が出てきたことがあります。また、いくつかあるお茶碗も鑑定の結果それなりに高価なものでした。ヘソクリだけでなく、茶道における茶碗花道における花瓶書道における硯と墨などは、ときに高価なものがありますので注意してください。

ご遺族の方の話から想像するに、女性がヘソクリをしている場合は、ご主人が昭和堅気の人で、あまり夫婦間で会話がない、家事をしない、一緒に旅行や外出をしない人が多く、反面奥様は外交的で近所の奥様方とショッピングや旅行に出かける社交的な人であるという傾向があるようです。要は、交友関係の出費のための資金という性格があるようです。

⑵故人が男性の場合

➀書斎の引き出しの中
故人が男性の場合は、あまり隠したりせずに普通にあっても不思議ではない場所で発見されます。机の引出しに現金の入った封筒が出てくことが多いです。この場合、ヘソクリという性格のものではなく「お孫さんなどへのお小遣い」といったものかもしれません。「孫に甘いお爺ちゃん」の場合は、ときにお孫さんへの誕生日かクリスマスプレゼントとして用意されたであろうおもちゃ(ラジコンやぬいぐるみ等)が出てくることもあります。

➁ハードカバーの本に挟んである
本に挟んである場合、特にハードカバーのある本に挟んであるときがありました。本棚の本に限らず、机の上に並んでいる辞書などの間から出てくることもあります。お札むき出しで3枚から10枚で出来た場合もあれば、株券や国債が出てきたこともあります。

➂床の間の壺の中
1度だけ床の間に置いてある壺の中から現金入りの封筒を発見したことがあります。このケースは旦那さんの趣味が骨董集めだったのでその資金として用意したものかもしれません。
骨董品や絵画の収集をされていた場合はその軍資金を隠している場合があるようなので注意して調べてみてください。

⑶その他注意すべき箇所

上記のような明らかな「ヘソクリ」とは異なり、圧倒的に現金が発見される場所があります。それは、お母様が良く使っていた「買い物カート」、お父様が仕事用あるいは外出用の「背広のポケット」から現金やお財布ごと見つかることが良くあります。

また、ご実家が商売を営んでいて事務所兼住居となっていた場合は、とにかく金融機関の封筒があれば要チェックです。封筒を灯に透かして見て必ず確認してくださいね。

私たちの「遺品整理作業」では、分別も兼ねて袋や箱の中身から引出内・ポケットの中まで調べながら整理していきます。もちろん発見した現金・貴重品などは依頼者にすべてお渡ししてお返ししています。両親と離れてくれしていた場合、何処に何があるのか、日頃どの部屋で生活し、何をよく着ていたかなどは知る由もないので、いざ「遺品整理」をしようとなるとどこから手を付けていいものかわからないものです。そうならないために、実家に戻った時はよく観察しておきましょう


たまに「ゴミ処分場で現金1千万円が発見される」といった事件がニュースで流れますが、まさに「遺品整理」において、しっかり調べずに家財を捨てたことによる結果がこれです。知り合いの同業者からは、鍵の開かないトランクケースを持って帰って壊して開けたところ中から2千万が出てきたという話を聞きました。当然このお金は依頼者に返金したそうです。

「遺品整理」で大変な思いをしないためにも、日頃から良くコミュニケーションを取っておくことが大切です。なかなか聞きづらいかもしれませんが、「医療保険」や「生命保険」には加入しているのか?貯金や有価証券はないのか?などをそれとなく機会を見つけて聞いておくことです。何度も言いますが、歳を取り認知症になってしまうと、それらの存在を忘れてしまうからです。

弊社の作業において、遺品整理作業代金以上の現金が出てきてお客様から感謝されたことも多々あります。現金・貴重品がありそうな場合だけでなく、思い出の品や写真などの探し物がある場合にも、お金はかかりますが、我々のような「遺品整理」専門業者に依頼されることをお勧めします。

コメントを残す