高齢者の病院選び①

高齢者の病院選びに関しては、本やネットで数多く紹介されています。私も母の介護を通じて様々な病院に掛かりましたが、なかなか良い病院・良い医者に巡り合えませんでした。そんな私の経験を踏まえてお伝えします。

現在の日本の医療制度は、「大病院」と「中小病院及び診療所」がお互いに連携しながら、質の高い効率的な医療を実現することを目的として『医療機関の機能分化』を促進しています。そのため、中小病院あるいは診療所の「紹介状」がなくて、いきなり大病院を受診すると初診時に特別料金(5,000円以上)が別途必要になります。 また、症状が軽い場合には地域の中小病院あるいは診療所を受診するように勧められます。(これに逆らって、再度大病院を受診しても別途2,500円以上請求されます)

 

 

詳しくは、『政府広報オンライン 診療所や病院を適切に使い分けましょう』
『公益社団法人 東京医師会 賢い患者さんのお医者さん選び』 などをご参照ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これを踏まえた上で、高齢者の方が、①現在健康な場合、②すでに体の不調をきたしている、あるいは持病・難病を患っている場合で、病院の選び方が異なると思っています。

①の現在健康な高齢者の方は、先ず良い『かかりつけ医』を見つけることが初めの一歩になります。

良い『かかりつけ医の』の条件としては、
⒈近所にある
⒉どんな病気でも診てくれる
⒊いつでも診てくれる
⒋病状を丁寧に説明してくれる
⒌必要に応じて、病状にふさわしい専門病院や医師を紹介してくれる。

選び方としては、良く紹介されている条件は、以下のようなものがあります。
⒈通いやすい、近所にある
⒉近所の評判について確認する(ネットなどの口コミサイトを利用するのも方法です)
⒊相性が良いか、安心・信頼できるか(これは、実際にかかってみないとわかりません)
⒋病状や薬について、わかりやすく説明してくれるか
⒌患者を抱え込まず、病状によっては大病院や専門医を紹介してくれるか

予約制になっていても、何時間も待つような病院なら「患者を抱え込みすぎ」の可能性がある病院かもしれません。近所の評判やネットの口コミなどで確認してみるのも良いでしょう。

⒊相性が良いか否かが、私の経験では一番大事なことだと考えています。本当に患者のことを考え、親身に相談にのってくれる医者は、必然と、「⒋病状や薬について分かり易く説明してくれる」し、「患者を抱え込まず、大病院や専門医を紹介」してくれます。これについては、病院に掛かるたびに、患者自らが色々医師に質問するなどして確認する必要があるため、時間もかかり難しい基準です。医者も人間ですので、「患者を抱え込む」のと対照的に、「自分には手に負えない患者」や「後々トラブルになりそうな患者」には、それとなく別の病院に移ってもらいたいと考えていることもあります。私の経験から、医師に自分の病状や今後の治療法について質問した際に、「人間いつかは、死ぬもんです」「人間歳をとれば、どこか悪くなるものです」ということを軽々しく言う医者は、やめたほうが良いと思います。こういった会話の中に医者の側から患者を敬遠してるニュアンスが感じ取られるようなら、別の病院に変えたほうがいいでしょう。

また、現在結構な高齢者の方でも、突然体調を崩す場合が多々あります。

よくある例が以下のような場合です。

・転んだり、階段から転落により骨折 ⇒ なかなか骨折が治らない ⇒ 寝たきり
・インフルエンザや風邪をこじらせる ⇒ 免疫力の低下から知らぬ間に肺炎
・食生活の偏り、運動不足、過度のストレス ⇒ 高血圧や糖尿病のリスク

体力維持のために定期的な運動をしつつも、過度な運動で足や腰に負担をかけすぎたり、食事を作るのが面倒になり、毎日同じものばかりを食べていたり、好きなものばかり食べている方は、注意が必要です。ご家族の方もこの点については、よく観察しておく必要があります。

「かかりつけ医」にも、この点を診てもらえると助かります。そこで、ある程度の検査設備があって、定期健康診断をしてもらえる病院を選びましょう。そこで、「骨粗しょう症検査」「血液検査」「血管年齢検査」を定期的に行ってもらうとよいでしょう。特に糖尿病予備軍・糖尿病早期発見はとても大切です。知らぬ間に進行している糖尿病は、後々様々な合併症を引き起こしますので気を付けてください。

ここまでは、内科的な話でしたが、加齢よる健康問題は、歯と目です。

歯は、虫歯の進行や入れ歯による食物が制限されることが問題です。目は、白内障です。この問題もできれば「かかりつけ医」が相談にのってくれて、適切なアドバイスや病院を紹介してもらえると非常にありがたいです。

最後に薬の問題です。「かかりつけ医」から服用法などをしっかり聞くと共に、薬をもらう薬局は、一か所に決めておくほうが良いです。継続的に記録が残されれますし、内科だけでなく、歯科、眼科などからも処方箋をもらうことになった時に、飲み合わせや食べ合わせ等に注意するように指示してくれます。また、親切な薬局は、内科、歯科、眼科などの診療科別でなく、服用時間別に薬を梱包して提供してくれます。

最後にご家族の方ですが、特に離れて生活している場合は、「かかりつけ医」および「薬局」を把握しておくとともに、夜間・休日診療病院の情報(連絡先や行き方)について、親御さんに教えておきましょう。

「親孝行をしなくてはいけないな」と思ったときには、親がいないなんてことがないようにしたいものです。子供は、親がお爺ちゃん・お婆ちゃんの世話をしている様子を必ず見ています。いずれは我が身で、子供は自分が高齢になった時に、自分がお爺ちゃん・お婆ちゃんにしたのと同じことをしてくれるでしょう

②すでに体の不調をきたしている、あるいは持病・難病を患っている場合については、次回のブログでお伝えします。