高齢者みまもりサービス
前回の続きとして、家電やアイテム以外の高齢者見守りサービスについて、見ていきたいと思います。
そのの前に、「介護保険制度」についても、理解しておいてください。
高齢者(自分の親)が、
・一人暮らしで体力的に衰えてきた
・認知症の兆候が見られる
・持病がある
・買い物先や病院に行くのが遠くて不便である
このような場合は、まず介護認定を受けることをお勧めします。
介護認定制度では、要支援1~2、要介護1~5の7段階あります。手続きが必要ですが、要介護3以上でしたら介護施設に入居することを最優先に考えましょう(要介護3以上は、費用の安い特別養護老人ホームの入居基準を満たしています。実際には特別養護老人ホームの入居にはかなりの順番待ちとなりますが・・・)
要介護1~2ですと、在宅での身体介護サービスと生活支援サービスが受けられます。生活支援サービスの内容として食事、掃除、洗濯、別途サービスで買い物などを行ってくれます。費用は、週2回、60分以内の身体介護サービスと生活支援サービスを受けた場合でも自己負担額は5,000円弱程度です(地域により多少異なります)。料金も安いですし、介護福祉士(ヘルパーさん)という専門家が見てくれて健康状態についても正確に報告してくれます。(特に認知症の兆候をつかむことが重要です)
要支援認定を受けた場合は、現在は介護保険サービス対象外となり、「地域支援事業」として、各自治体が独自に行っています。そのため、地域により受けられるサービス・料金が異なりますが、要介護1~2の場合と同程度です。「生活支援サービス」のみを行ってくれる自治体もあるそうです。
(今後、この「生活支援サービス」は民間業者に委託され料金が上がる可能性はあります)
デメリットとしては、訪問してもらえる時間を指定できないこと。そして、介護対象者が、他人が自分の家に上がり込むことを嫌う場合は難しいということです。
介護認定を受けることができなかった時(非該当とされたとき)や、今後の介護生活の準備として、これから紹介する高齢者見守りサービスの利用を検討してみてください。
介護保険制度のデメリットでもある、「他人が自分の部屋に入り込むのを嫌う」方には、前回紹介した見守り家電やアイテムの設置を検討してみてください。
既存の見守りサービスの種類として、主に以下の5つのタイプがあります。
⑴センサー型
⑵カメラ型
⑶オート電話・メール型
⑷訪問型
⑸宅配型
⑹警備駆け付け型
以下、それぞれについて簡単な説明と具体的なサービスについて説明していきます。
⑴および⑵については、前回紹介したので割愛させていただきます。
⑶オート電話・メール型
高齢者にコンピュータ音声による自動電話やメールが配信され、電話の場合はプッシュボタンで、メールの場合は質問内容に、高齢者自身が回答します。その回答をご家族が確認できるサービスです。専任の担当者が直接電話連絡してきて回答するタイプもあります。
デメリットは、みまもり対象者が、監視されている、または、返信が煩わしいと感じることが考えられます。さらに、高齢者の側から連絡を取ることはできないため、緊急時に対応していません。
①郵便局 みまもりでんわサービス
毎日1回、メッセージタイプの自動音声電話がかかってきます。そのに対してプッシュボタンで答えます。
料金は、固定電話で980円/月、携帯電話で1,180円/月です。
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②株式会社こころみ つながりプラスサービス
こちらは、週1回専任の担当者が直接電話をし、高齢者と会話をするタイプです。担当者が固定のため、日々の変化について感じ取りやすいという利点があります。利用者の中には、一人暮らしの為会話を楽しみにしてる方や身内には言えないことを相談したりしている方も多いそうです。
入会金 10,000円 通常プラン7,500円 Liteプラン 4,900円
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⑷訪問型
専任スタッフが高齢者の自宅を訪問して、安否確認するタイプです。郵便局の「みまもりサービス」が有名です。担当者がその地域と関係が深いので、地域情報の提供や犯罪防止等の効果も期待できます。
デメリットは、訪問が月1回程度の為、万が一の緊急時には対応していません。(郵便局の「みまもりサービス」はオプションで提携警備会社スタッフが駆け付けます)また、採算の問題もあるためかサービス提供のエリアが限定的な業者も多いです。
①郵便局 みまもり訪問サービス
月1回30分を目安に高齢者のお宅を訪問し、健康についての定型質問事項と契約者の希望聴収事項の確認を行うと共に地域情報などを伝えます。離島をのぞき全国対応しています。
料金は2,500円/月 オプションの駆け付けサービス 800円 + 1回の駆け付けにつき5,000円
全国対応 ふるさと納税返礼品として導入している自治体もあります
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②ヤマト運輸 見守り・買い物支援
既存の宅急便ネットワークを活かして、配達時にセールスドライバーが安否確認をしたり、日用品や食品などをご自宅までお届けするといった買い物支援です。対応地域が限られています。
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⑸宅配型
主に食事の宅配事業を展開している企業が行っています。食事を届ける際に、高齢者の安否確認を行ってくれます。
デメリットは、報告内容が、配達の内容物・時間・受け取りの有無といったことで、対象者の健康状態についての評価・報告はありません。
一人暮らしの男性高齢者にとっては、食事を頼むついでに安否確認をしてくれるので、適しているサービスと考えられます。
①pal* system 見守り安心サービス
連絡受取者のメールアドレスに、毎週のお届け時間、お届け時の基本情報を配信します。また、見守り対象者が倒れてしまっているような緊急時や、先週お届けした商品が放置されていたり、郵便物がたまっているなど異変を察知した際に、通報を行います。 全国展開ではありません。現在関東周辺の1都9県のみです。
基本的に無料(食事代に含まれている) 食事代としては20,000円程度
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②ヤクルト 配達見守り訪問&お届け見守りんごメール
ヤクルトレディーが、見守りを兼ねてヤクルトをお届けするサービスです。ヤクルトお届け後に、訪問時の会話などを配送完了メールにて連絡し、•スタッフが訪問時に異変に気が付いた場合は、寄付者や自治体などの関係機関へ連絡してくれます。
ただし、全国展開はしていません。ふるさと納税返礼品として以下の地域で行われています。
ⅰ. 配達見守り訪問
北海道士別市、神奈川県藤沢市、福島県須賀川市 のみ
ⅱ.お届け見守りんごメール
北海道砂川市 のみ
それぞれ楽天市場に登録されています。「ヤクルト 配達見守り訪問&お届け見守りんごメール」で検索してください
⑹警備駆け付け型
警備会社が提供しており、緊急時に本人がスイッチを押すと警備スタッフが駆け付けます。日々の健康状態確認については、オプションのセンサー設置で対応しておりますが、介護・医療の立場から専門的にアドバイスしてくれるわけではありません。あくまで、緊急時の対応をメインにしています。(体調変化による緊急時だけでなく、犯罪・事故についても対応しれくれます)
①アルソック みまもりサポート
自宅に非常通報装置を設置して、緊急時に本人がボタンを押すと警備員が駆け付けてくれます。
工事費11,000円+機器費36,000円 利用料1,700円/月
オプションとして、持ち運びできる緊急通報装置や、各種センサー設置による見守りサービスもあります。
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②セコム 緊急通報サービス
基本的にサービス内容は、①アルゾック みまもりサポートと同じです。料金は高いですが、アルゾックのオプションがすべて含まれています。
初期費用|工事料58,000円(税別) 利用料 6,800円/月 (保証金20,000円が必要、契約満了時返却)
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③CSP緊急通報サービス 見守りハピネス
緊急通報装置を設置し緊急時に駆け付ける「緊急通報サービス」と、自宅に設置したセンサーが生活反応を確認できない場合に通報する「ライフリズムサービス」があります。
料金は、「緊急通報サービス」のみで、初期費用なし、利用料2,800円/月です。
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以上、高齢者の見守りサービスについて見てきましたが、一概にどれが良いかは断言できません。
私なりの考えですが、場合にわけて考えてみると以下の感じです。
㈠介護認定を受ける前の準備段階として考えている場合
まだ、介護認定を受けるほど体は弱ってきていないが、もしもの時に備えてというならば、見守り家電やアイテムで十分だと思います。
通信環境を考慮して、象印の「みまもりホットライン」や見守りフォトフレーム・ミマモリエあるいは「あなたの安心」 高齢者見守り支援サービスの設置が良いかと思います。現在、高齢者がドコモの携帯を使っているなら「ドコモのつながりほっとサポート」を有効活用するのも手です。
但し、認知症の傾向がみられるとか、車の運転をやめさせたいと考えているなら、担当者と直接話をする「株式会社こころみ つながりプラスサービス」や「郵便局のみまもり訪問サービス」を併用して、第三者から高齢者の健康状態について評価してもらう方法も有効かと思います。家族には言いづらいことを聞いてもらえますので、親子間の関係がうまくいっていない場合には、関係修復のきっかけになるようなことがわかるかもしれません。
㈡介護認定にて在宅介護を受けることになった場合
在宅介護を受けることになれば、ヘルパーさんが週二回は高齢者宅を訪問してくれますので、高齢者見守りサービスは不要かと思います。しかし、高血圧や糖尿病を患っており、心筋梗塞や脳梗塞の恐れがある場合は、警備駆け付け型の非常通報装置の設置があるとより安心かもしれません。
弊社では、
自分の親に人生の晩年をより快適に、そして自分自身にとっても「親の介護」が負担にならないように、より安価でより便利なサービスやアイテムの調査・検証は今後も続けていこうと思っています。
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