高齢者の病院選び②

今回は、すでに体の不調をきたしている、あるいは持病・難病を患っている場合の齢者の方の病院選びや医療保険制度についお伝えします。

⑴まずは、体調不良の原因となっている病気を知ることが大事
既に、病名がわかっている方は、⑵に進んでください。

かかりつけの病院に通っているものの、なかなか良くならない、原因・病名がよくわからないなどの場合は、ネットや『家庭の医学』の書物などで症例を調べて、該当する病名を疑ってみてください。そして、その専門医がいる病院で検査を受けてみることをお勧めします。残念なことに、かかりつけ医の中には自分の患者を失うことを恐れて、真剣に対処しない者もいます。

できるだけ早期に病名・原因を特定することはとても重要です。と言うのも、がんや糖尿病などの根治の難しい病気も、最近の医療の発達により早期発見であれば根治や進行を止めることができるようになってきました

<参考>ネットでの症状から病名検索するのに便利です
QLife症状から病気を調べる
EPARK病気スコープ

⑵病名や原因が判明したら、それが厚生労働省の『指定難病』に該当するか否かを調べる

『難病の患者に対する医療等に関する法律』(難病法)が成立し、平成27年1月1日に施行されました。かつては「特定疾患」と呼ばれ、臨床調査研究分野の対象に指定された130の疾患だけでしたが、この法律の施行により333の難病に対象が広がりました(令和元年7月1日現在)。

これにより、おおくの難病の方が医療費の助成が受けられるようになりました。所得に応じて、自己負担の月額医療費の上限が0円~30,000円までと決められます(月内にどこの病院で何回受診しようが、トータルでの上限額となります)

<参考>
指定難病については ⇒   厚生労働省のホームページ 指定難病
申請方法などについ  ⇒『難病・指定難病とは?医療費助成の内容と申請方法、利用できる福祉支援について解説します』

⑶専門医・専門病院をさがす

⑵の認定を受けるためには、難病指定医の診断を受けなくてはなりません。と言っても、難病であると診断したその病院・医者がほぼ難病指定医です(だから、難病と診断できるわけで・・・)。

問題は、その診断を下した病院で治療を受けるか否かの判断です。今までにどれ程の症例を扱っているか、手術を必要とする治療の場合は何件の手術実績があるかなどを聞いてみてください。(なかには病院のホームページなどに詳しく記載されている場合があります)。そして、その医者が常にその病気の先端治療法を勉強しているかも重要な決め手になります。この点については、なかなかすぐにはわかりません。治療計画の提案時や治療を続けていく過程で、様々な治療法や新薬の投与などを提案してくれるか否かで判断していくしかありません。また、他の病気も患っている場合(例えば、糖尿病や血管の狭窄など)には、外科だけでなく内科(血管科や糖尿病科など)の連携が必要な場合がありますので、総合病院の方が安心です

私の母の場合は、膠原病による強皮症で壊疽した指の切断手術の際に、糖尿病と間質肺炎を併発していたので全身麻酔による手術はできず、かといって局部の切断では毛細血管の出血が止まりにくいため傷口がふさがりにくい問題がありました。内科との協力により新薬の『血管再生剤』なるものの併用で壊疽した最小範囲での切断で済みました。

さらに、病院のホームページを調べた際は、ついでにその医者の出身大学や所属医学会も調べておいてください。⑷で必要になります。

⑷セカンドオピニオンを聞くことも大事

望まないあるいは危険な手術をすることになった場合や、副作用の強い薬剤の投与を進められた場合は、他の病院でのセカンドオピニオンをきくことも大事です。その場合、どこの病院でセカンドオピニオンを聞くかですが、最初の診断を下した医師の出身大学や所属医学会とは異なる医師がいるところを選んでください。大学病院の本院や医学会の理事長である医師が下した診断に対して、同一大学出身の医師や同一学会所属の医師が異なる診断や治療法を提案することは絶対にありません。但し、大学病院の地方分院がくだした診断に対して、本院ではより良い治療法に覆る可能性はあります(設備の充実・最新医療の治験が進んでいるなどの理由)

私の母の場合、左足の親指の壊疽を切断するにあたり、最初の病院では、左足付け根から切断すると言われました。また、右手中指の壊疽の切断に対しては、右手首か切断すると言われました。中には「『障害者手当』がもらえるから得だよ」などと言う医師もいてショックでした。

別の病院を探し、結果、左足の親指のみの切断(北里大学病院)、右手中指のみの切断(日本医科大学病院)ですみました。

諦めずに、色々病院を探してみることは無駄ではありません。

<参考>出身大学などに注意して、下記などを参考にセカンドオピニオンの病院を探してみてください。
名医がいる病院ー病院名検索
有数の専門医がいる病院一覧
*注意 名医・専門医と言われる先生方は2~3年で他の病院に移動される(ヘッドハンティングや教育のため)ことが多いので、必ず直接当該病院に確認してください

⑸難病でなかった場合でも

『指定難病』とは別に『特定疾病』というものがあります。こちらは、介護保険制度によるもので、65歳以下でも介護制度を利用できる制度です。16種類の病気が指定されており、かなり認定されるのための条件は厳しいですが、一人暮らしの高齢者や家族の負担が多大な場合は利用を考えてみるほうが良いでしょう。

また、この16種類の『特定疾病』に該当しなくても「厚生労働大臣の定める疾病等」に罹患しているなら、訪問看護を受けることが認められています。前者は、介護保険制度により、ケアプランを作成してもらい、介護施設に入居できる制度であるのに対して、こちらは、医療保険制度により、医療費自己負担額が3割となり、週4回以上の訪問介護も受けられる制度です。

これらの制度は私も知りませんでした。しかしながら、探せば色々と医療に関する保険制度はあるようです。

<参考>
『特定疾病』について ⇒【知っておきたい】介護保険制度「特定疾病」の16種


昨今、独居高齢者の医療・介護の問題や親の介護のための離職などが問題になっています。日本の医療福祉制度に関して問題もあるようですが、本当に困っている方には有益なものが少なからずあります。経済的負担だけでなく、時間的・肉体的負担が減るように、積極的に専門家(かかりつけ医や区役所などの福祉課など)に相談してみてください。そしてなによりも、その病気で苦しんでいる高齢者の方が少しでも楽に『人生の晩年』を暮らせるすべが見つように最善を尽くすことが重要です。(後々、遺族の立場として後悔しないためにも・・・)。