残された遺品たちは必ず確認!〈遺品整理〉
弊社オービットもおかげさまで開業から1年を経過しました。たくさんのお客様と出会い、多くの現場を拝見し、撤去作業を経験し、色々と学ばせていただきました。その中で特に感じたのは、やはり、『大切なもの』『取っておくべき価値のある物』と『捨てるもの』『要らないもの』の発見とその区別の判断が難しいことです。それは、「『大切なもの』と『捨てるもの』のとらえ方が、お客様(ご遺族)、我々遺品整理業者、故人にとって違うからにほかなりません(もっとも、故人については正確にはわかりませんが・・・)
まず、お客様(ご遺族の方)にとっては、第一に《現金》《高価な貴金属》などの経済的価値がある物が出てくることを期待されて方が多いことです。実際、私どもの作業中に「ヘソクリ」や封筒に入った「札束」を発見することが多々あります。当然、弊社では1円玉でも発見した現金はすべてお客様に返却しています。しかしながら、聞くところによると多くの悪徳?遺品整理業者は、発見した現金や高額品などをお客様に返却することがないようです。
ここで問題となるのが、処分依頼された物は誰のものかいう点が不明確なことです。一般的には、不用品の処分依頼を受けた時点で、依頼者の所有権放棄とみなし、それらの物を業者側が所有する意志があれば、業者側に所有権が移転すると考えられています。ですから、お客様は作業に立ち会い、現金などが発見された際は「所有権放棄の撤回の意思表示」をして返還してもらうことが必要になります。これは、遺族の気持ちに寄り添うことが求められる遺品整理業者のあるべき姿としてどうなのかと痛感させられました。作業中に発見した《現金》《高額品》に関しては、誠実に報告し、作業終了時の確認の際に返却するという「覚書」などの書面を交わしておく必要があると思います。弊社では、スタッフの教育も含め今後の課題として取り組んでいきます。
二番目として、まだまだ使えるけども買取品としての価値がないが、しかしながら捨てるのが忍びないといった物品の処分です。例えば、晩年故人が生きる拠り所となっていた趣味や夢中になっていた書物(特に学術書)等です。形見分けとして遺族の方々で保管されるのが一番良いのですが、そうはいかない様々な事情がおありかと思います。その場合は、寄付することを考えてみてください。例えば、花器や茶器などは、故人が女子高出身だった場合、その高校に花道部や茶道部がないかを調べ、そこに寄付されることをお勧めします。学術書や絵画・骨董などは買い取れる場合もありますが、高値がつかないこともあります。この場合にも、関連する図書館・美術館等を探して寄付できないかを調べてみてください。本当に必要としている方が引き続き有効に使ってくれることになるわけですから、故人も喜ぶと思います。弊社でもご相談を承りますので、お気軽にお尋ねください。
最後に、故人の側から『残してほしいもの』『引き継いでほしいもの』はなにか?です。これについては、私たち遺品整理業者は推し量ることはできません。遺書などの故人の意思表示があればそれに従うべきでしょうが、ない場合は、ご遺族の方の判断にゆだねるしかありません。
現場での撤去作業中に、作業中に書類の山の中からポロっとご遺族の入学式の時の写真や、お孫さんの七五三の時の写真が転げ落ちてくることがあります。また、あるいは投函されないままのご遺族様への手紙、あるいは読まれることのないまま大切そうに保管されているご遺族様からの手紙を見つけたりします。オカルト的なことかもしれませんが、これらのモノは捨ててはいけないと、直感的に感じることがあります。これらのものは念のためにお客様に処分しても良いかを作業終了時に確認を取っています。その時驚いたり、ちょっとウルッときたりするご遺族の反応を見て、「故人の思いが伝わったのかな」と思うと同時に、我々遺品整理業者冥利に尽きると実感する瞬間でもあります。
現場経験を重ねるごとに我々は、故人の方が何をよりどころにして、晩年どのような生活をされていたのかを何となく感じ取ることができます。そして、多くの場合感じるのは、故人にとって最も大切なものは「ご遺族様本人」そして「そのお孫さん」なのではないかということです。具体的には、『ご遺族が小学校時代に賞を取った絵などの作品』や、たぶんお孫残に渡しそびれたであろう「ドラえもんの文具セット」や「ミッキーのぬいぐるみ」が大事に保管されているのを発見して、そのことを痛切に感じます。
親族が亡くなった後の「遺品整理作業」は、時間的・肉体的にも大変な作業です。しかし、「大切なもの」「高額の貴重品」などを捨ててしまわないためにも、ご遺族様自身が実際に目を通し、手に取って確認してください。そして、その行為が、故人が晩年に何を思い、どう過ごしていたか?そして、ご遺族の方をどう思っていたかを知る上で重要な機会となるはずです。できれば、ご遺族とそのご子息で遺品整理作業をされることをお勧めします。なぜならば、「いずれは我が身」、「遺品整理作業」もご遺族様の家族に引き継がれることになるからです。
私たちオービットは、遺品整理における『大切なもの』の発見を迅速かつ史実に行うことにより、ご遺族様の時間的・肉体的ご負担を軽減するとともに、様々なご提案・アドバイスを通じてより良い「遺品整理作業」を完遂するためのお手伝を続けていきます。
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